妊娠中の出来事⑨〜限界来〜
妊娠6ヶ月頃。11月くらいの話です。
かなりお腹が大きくなってきて、パッと見でも「妊婦か、太ってる人か?」くらいのお腹になってきました。
この頃の体の様子は、
・仕事中、お腹が張る
・体力がいつもの1/10くらいしかないのですぐ疲れる
・頻尿
だったかな…。
書店で勤務していたので、仕事中に店内を急ぎ足で移動することが多かったのですが、忙しい日はかなりきつくて、体力もなけりゃ腹も張る。
そして、とにかく重いものを持つことが多い。
本って意外と重いんですよ。
本屋さんのスタッフは腰痛持ちが多いです。ほんとに。
そんな中、周りのスタッフ達が気を遣ってくれて、私が重いものを持とうとするや否や
「ダメだよ〜〜〜!!!!!!!!!!」
と皆、飛んできてくれるのです…。
すごく有難いのだけど、私の性格上、「申し訳ない」という気持ちが勝ってしまい、更には「役立たずでごめんなさい…」という気持ちが出てきてきまいました。
自分ひとりの体なら「このくらいどうってことないっすよ!」てな感じで無理してでも仕事を優先しちゃいそうなんですが、赤子のことを考えると、そうもいきませんでした。
常に「なにかあったらどうしよう」「赤子の命のすべての責任は私にある」という考えがついて回っていたので、「思うように仕事が出来ない」というストレスも感じてました。
実はみんなにバレないようにこっそり重い段ボールの積み下ろしをしたこともありました。
ちょっとくらい重いもの積み下ろししても平気でしょ…と積み下ろししたり、仕事中に嫌〜なことがあったりしてストレスを感じると、まるで赤子がみているかのようにお腹が張る張る張る…不思議ですわ…
本当は12月まで働いて辞めるつもりだったのですが、12月は冬休みとクリスマスがあります。
これは書店にとっては大稼ぎ時。
クリスマス。プレゼント。ラッピング…。
普段は設置されないラッピングゾーンがレジ横に出現する程のラッピング地獄になるというわけです。
正直、今の体力でその過酷な状況を乗り越えられる自信がありませんでした。
しかし、スタッフの人数もギリギリ。12月は忙しい。こんな時に辞めるわけには…。
辞めたくない自分VS正直ついていけないかもしれない自分の葛藤が毎日行われておりました。
そんな時、ある事件が起きます。
運転中に考え過ぎて信号無視。
車がいなかったので死にませんでしたが、死んでもおかしくない事態でした。
しかも、信号無視したことにその時は気付かず、しばらくしてから「あれ…?まさか私いま信号無視したんじゃ…?」と気付きました。色々終わってます。
この日、夫に「11月いっぱいで仕事を辞めなさい」と言われました…。
店長に11月いっぱいで辞めさせてくださいと伝え、快く承諾してもらいました。
しかも、いつでも顔だしてね、とか、復帰するときは言ってね、とか優しい言葉もかけていただき、本当に有難いなと思いました。
妊婦生活はメンタルを蝕むことがたくさんあります。そんな中、優しい言葉をもらうと通常時の50000000000倍くらい沁み渡ります…。
もともと私、夫のどちらの親族からも「仕事は無理せずに、キツかったら辞めなさい」と言われていたので、仕事を辞めた話をすると「その方がよかったよ」と慰めてもらいました。
やはり自分達だけではなく、親族達の期待も感じる分、赤子の命最優先なんだと身に染みて痛感しましたし、ある意味プレッシャーを感じていたので、無理してでも仕事というわけにはいきませんでした。
書店の仕事は時給が安いわりには体力勝負だし、変なお客様もいるし、覚えることもめちゃくちゃ多い大変な仕事でしたが、本が好きだし、周りの方々が優しかったので、乗り切れました。
あ、それと地味に頻尿も辛かったです。
トイレ行こうとした時にお客さんに呼び止められたあの日、マジのマジでおしっこ漏らすかと思った。
通常時4時間に2回行くトイレを8回くらい行った日もあった。給料泥棒って言われたらどうしようかと思ってた。
つづく